0人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
約 束
土曜日の朝、
キッチンから漂う甘く香ばしい匂いに目を覚ますと、
母さんはクッキーを焼いていた。
おじさんには昨日の夕方僕が二人を代表して連絡を入れた。
ミユは今日の訪問を昨日の下校時間まで迷っていたが、
今回はアユタも必ず行くと言ったこともあって、
結局一緒に行く事にした。
僕がおじさんに連絡すると言った時、
連絡先を知ってるのと母さんから聞かれて一瞬ドキッとしたが、
「アユタから連絡先は聞いた」と言っておじさんからもらったメモを見せた。
母さんに電話を代わった時は、
一昨日黙って行ったことがバレるんじゃないかと、
二人の電話の話しに聞き耳を立てていたが、
大人のシャコウジレイっていう感じの会話しかしていなかった。
おじさんは一昨日の僕らの突然の訪問のことにはふれないでいてくれたらしい。
母さんは、
自分のスマートフォンの番号を伝えてから、
「それじゃあ、
何卒よろしくお願いいたします」
と言いながら受話器を握ったままオジギをして電話を切った。
僕が電話をかけた時、
おじさんは少し驚いていたようだったけどすぐにやさしい声で「車に気をつけていらっしゃい。
待ってるよ」と応えてくれた。
早めの昼ごはんを済まして、
最初のコメントを投稿しよう!