第1章

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六人の顔を見て、人がいた安堵を覚えると同時に、おかしな点に気が付いた。 全員の頭、額に金属の輪がはめられているのだ。 中央部分が太く、横は細い。 「ん…?」 まさか自分にもと、頭に手をやれば、案の定しっかりとした金属の感触がある。 外れないものかと金属を探るが、引っ掛かる部分もない。 「触らないほうが良いですよ!」 持ち上げてみようかと、指に力を入れた瞬間、制止の声がかかった。 「え?」 「それ、外そうとしたんです。あの人。そしたら突然液体が出てきて…」 声をかけてきたのは、濃い茶色のパーマ頭の少年だった。 海斗から、ついと目線で床の男を示す。 「ァァ、……ァ、」 床には擦れた血の跡が、男の動きにあわせて増えていたが、次第に声も弱くなり、ぐったりとしていく。 ああなるかもしれない。 「マジかよっ!」 背中を旋律が駆け抜けて、海斗は素早く頭から手を離した。 「助け、呼んだんですけど誰も居ないみたいで…ドアも鍵かかってて、開かなくて…」 治療の道具も、方法もあるわけなく、今に至るという。 「なんなんだよ、ここ」 ようやく立ち上がって、呟いた海斗に、全員の視線が一斉に集まる。 探るような視線に、負けじと海斗も一人一人を見やるが、誰も答えてはくれない。 「わからないです。皆さんも、知らないんです」 最後にパーマの少年に視線を戻したが、困ったように眉を下げて俯いてしまう。 .
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