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だが、そんな謝罪など無散する言葉が海斗達の耳に届いた。
『ですが、あなた方の頭に付いている物への危険性が分かっていただけたと思います。それぞれ性能の違う危険物が仕込まれておりますので、これ以上無意味に死ぬことが無いよう気を付けて下さいませ』
落ち度、と言うものの、まるで死んだ事を悲しむ様子もない。
更にはこの男の死を、無意味と言ってのける神経に海斗は吐き気を覚えた。
『さて、本題にまいりましょう。あなた方をここにお招きした理由です』
少女の声は落ち着き払って、淡々としている。
『とても美しい顔立ちの方々。あなた方にはこれから、幾つかのゲームに挑戦してもらいます』
「ゲーム?」
「こんな所でなんて」
「どういうことだ…?」
口々に少年達が呟く。
ゲームと言われても、全く理解出来ない。
現に死人まで出ているのだ。
『フフフ。この中の誰が真の美しい、イケメンかを決める為のゲームです』
「は?」
全員が茫然と口を開ける。
意味がわからない。
しかし、少女は当たり前のように説明を続ける。
ただ、次第にその声に悦びの感情が混ざり、熱がこもったものに変わっていた。
『勝ち残った、たった一人。その方は、ワタクシのモノとなれますわ』
さも愉快だと、笑い声も聞こえる。
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