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何人もの女と浮名を流してきた。 アイシテルといううわべだけの言葉を吐き、相手の満足する行為を提供してきた。 そこに、気持ちなんてなかった。 あるわけないと、信じ込んでいた。 だけど、今自分の胸は確かに、強い痛みを感じている。 刃物が霞めていった頬よりも、刺された背中よりも、もっと強い確かな痛み。
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