熱を帯びる肌と目から落ちた滴

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   堪らない。  唇を離せば、螢自らが体を動かした。  背を向けていた体をゆっくり移動させて私に向いて跨がるものだから。  しかも、両腕を首に回して体を密着させるものだから。  可愛い。 「は、恥ずかしい……」  隠しているつもりだろうか。その胸を。  小さな声が、吐息と共に耳元で吐き出される。  これが、『初めて』でなければ……間違いなく順を飛ばして螢の中へと繋がっていたに違いない。 「顔が見たい」  私の瞼に刻むように、そして、螢の記憶に刻めるように声を返せば、顔を離して彼女が私を見上げる。  瞳が恥じらい潤んでいるのを見て、布団までは待てないな。と、諦めがついた。  螢が、既にそれを望んでないだろう。  彼女の柔らかな胸。薄い腰。  お尻は小さく、足も細い。  確かめるように、一つ一つに触れた。  螢の手は、私にしがみつくよう肩へと置かれていて、密着する体に熱が籠っている。  ソッと額に口付けをする。  次に耳を舐めてみると、螢の体が震えた。  首に落とす口付けは、咬むように。 「っ……」  彼女の秘部に触れる指先は、なるだけ優しく。 「ま、待て……」 「……待たない」  焦る声色は、やはり恥じらいが勝って聴こえる。 「ぅんっ……」  色っぽさを含んだ声をすぐに吐き出す螢は、きっとそれが煽っていることに気づいていないだろう。  焦りたくはない。  痛い思いはさせたくない。  初めての時くらい、優しくしてあげたい。  きっと、これからは優しくなんて出来ないだろうから。  もう少しだけ、我慢をしてあげたい。  
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