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「「木」!「木」!高い木、低い木。幹、幹!太く成長、ぐんぐん成長。枝、枝!葉と芽、花も咲く。そして実がなる。実は木の子供!」
仮面の「それ」がそう言うと、一種類の木に、一種類の実が付いた木々達が立ち並んだ。
でも、俺が探している花はこれではない。景色が不思議な空間へと変わる。
「「魚」!空、泳がないよ!ヒロの「魚」、空を飛んでる!「鳥」!鳥の飛び方、違う、違う!羽、動かす!バサバサ動かす!ヒロ、変!変だよ、変、変!くすくす…可笑しい、可笑しい。」
どうやら、俺が描いていた世界も不思議な空間だと言われている。俺は想像でしか知らないのだから仕方が無い。興味だって無い。抱いた所で何になる?
「ユキ、ユキ。ユキの知っている世界。ヒロの知らない世界。ユキ嬉しい、ヒロつまらない。」
「別につまらなくはない。ただ、終わりのないこの世界で、今この時ではなく、いつか知ればいいと思うだけの事。」
「終わらない、終わらないの?「ずっと」あるの?在り続けるの?」
「そう思っていたけど、「ずっと」なんてないらしい。ユキがいなくなる。」
「「ずっと」なんてないの?ないないの?ユキは「ずっと」いなくならないの?」
「ユキは「ずっと」いなくなる。俺の前からいなくなる。もう…二度と…」
「「ずっと」、「ずっと」、あった!あった!」
「本当だ…「ずっと」があって、「終わり」がある。」
「変なの、変なの!可笑しいね、可笑しいね!!くすくすくす…可笑しいね。」
「笑う所なのか?俺は笑えない…でも泣けな い。俺は「機械」だから。」
「「機械」は笑ってはいけないの?泣いたらいけないの?」
「「いけない」訳じゃない。機能は多分ある。ただ、感情が沸かないんだ。こんな世界に何を求める?」
「ユキは笑う?ユキは泣く?」
「ユキは俺に感情を向けてくれる。なんで俺に?俺はそんなユキが疎ましかったのに…何故?」
「ウトマシイ??ヒロ、羨ましい。」
「羨ましい?俺が?ユキを?違う、ユキは欠陥品だ。だから、「無駄」な事を抱く。」
「ユキは「機械」?ユキも「機械」?」
「「機械」だよ。でも、ユキは否定するんだ。俺達は「人間」だって。なんで「人間」なんて言えるんだよ。なんで「感情」が向き出しなんだよ。」
「ユキは嘘付き?ユキは嘘付き?」
「違う。ユキは嘘を俺には教えない。ユキは 俺に色々な事を教えてくれても、嘘は教え ない。」
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