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突如、発せられた言葉。
この場にいる者以外の声だと気付くのに時間は掛からなかった。 女性を拘束するよう指示したリーダー格の男は声のする方へと振り返る。
そこに――。
「……んだ、テメーは」
先程声を発した人物が男たちの眼前に佇む。
リーダー格の男がその人物を見据え、頭に浮かんだ印象――白。……白色だった。
気付けば雲一つなかった空には雲が纏わる。月明かりが途絶えた夜の公園でもはっきりと認識できる程、目立つ白いロングコートを着込んだ男はゆっくりと、また一歩――……ゆっくりと男たちに歩み寄る。
「――その手を放して貰おうか」
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