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目がごろごろして、塵でも入ったかと鏡を見ると、
睫が入ってた。
そっと掴んで取ると……。
ずるっ
……思いの外、というより睫にしては長い。
ずるっ、ずるっ、
引っ張っても引っ張っても、それは終わることがない。
ずるっ、ずるっ、ずるっ
随分引っ張って、総て出尽くしたそれ、
は一本の長い髪、だった。
……いやいやいやいや。
まあ髪の毛だって目に入ることはあるのかもしれない。
然しこの長さは何だ?
如何みても俺の髪では、ない。
他人の髪が入るなんてことがあるのか?
気味の悪いこともあるもんだ、
そう思いつつもこのときは深く考えなかった。
二、三日経って。
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