#2 MARVELOUS

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「つぼみ! あんたも文化祭でなんか歌いなよ!  弾き語りならヒサシが一緒にやってくれるよ?」 エエエエエッ……! アサキちゃん、いきなり何言ってんの!? 無理に決まってんじゃん! だいたい私……マイクなんて…… カラオケでしか握ったことないし…… 突然すぎる質問に、私が目を丸くして慌てていると アサキちゃんは笑いながら私をハグしてこう言った。 「あはは! ジョーダンだよ、冗談!  あんたが人前に立つのが苦手なことくらい  私だってわかってるよ!」 ぶーっ……アサキちゃんのイジワル……(怒) 唐突な冗談に、私がふくれていると ユータが私の頭をポムポムしながら微笑む…… 「アサキはひどいよなーw  つぼみが照れ屋なの知っててイジワルするもんな!  トール……! テメーの責任だぞ……!?これはw」 うつむき加減でベースを片付けながらトールは ちょっと……白い歯を見せてユータに反論した。 「バーカw なんでもかんでも  付き合ってるオレのせいにすんなよw  だいたいアサキのイジワルは今に始まった事じゃねーw」 そう……ベースのトールはアサキちゃんと付き合っている。 元々は彼氏であるトールのバンドのスタジオに アサキちゃんが遊びに行って 軽いノリで歌って聴かせたのが始まりだ。 その歌声にリーダーのユータが驚いてスカウト。 最初は渋っていたアサキちゃんだったけど 頼み込まれるうちに、自分の可能性を試したくなり始めて とうとう文化祭での優勝を意識するようになる…… こうして、アサキちゃんたちのバンド MARVELOUS(マーヴェラス)は誕生したんだ……!
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