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絶好の快晴日。
そんな日に終業式を終えた青海高校は、三学年だけを体育館に集合させていた。
時刻はまだお昼12時を少し過ぎた頃。
「朔羅!」
入口付近の壁に寄り掛かっていた桃華朔羅に、如月麻己音は声をかけた。
「よぉ」
「うっす。ほらよ、弁当」
「サンキュー」
麻己音から渡された弁当箱を開け、その場に座って食べ始める。
麻己音も隣に座って自分の弁当箱を開けた。
「にしても、パーティーってどんなんだろうな」
「さぁな。ま、悪い予感しかしねぇけど」
「え、パーティーだよな?」
呑気なこと言う麻己音に一瞬視線をやって、また弁当にもどす。
「ご馳走を食べ、皆でワイワイ騒ぐのがパーティーのイメージだが、あの禍々しい封筒にそんなパーティーのイメージが合うか?」
その言葉に麻己音は首を横に振った。
「思えねぇー」
「だろ。それにだ、教師が一人もいねぇなんておかしいだろ」
「…あ」
終業式後、三学年以外はすぐに体育館を出たのだ。
確かにその時、教師達も全員出ていったこと思い出す。
「不自然なトコが多すぎるんだよ。誰も出さないように硬く閉められた扉とかな」
朔羅はジロッと扉を睨む。
終業式後、閉ざされた扉は一度も開いてない。
何人か開けようとしたが、何故か開かなかった。
完全に三学年だけ、体育館に閉じ込められたのだ。
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