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『そーだ!忘れてた!武器はあっちこっちに落としておくから、好きなように使ってね!それから試合放棄を望んだら、その生徒は自動的に生け贄に決定されるよ』
「っ!先生!何で…どうして…!」
一人の生徒が我に返り、苦しげに質問をする。
今まで信じていた。
それを裏切られた気持ちでいっぱいなのだこの生徒は。
『あー、絶対するよねそういう質問。何でーとかどうしてーとかさ。わかるよわかるよ。自分達の命が掛かってるから当然。でも、だからこそ理由は言わないから。言った所で自分達の命は関係ないとか、こんなのおかしいとか返すよね?そう言う返事が来るとわかってるから理由は言わない。納得出来ない理由を言っても意味ないからねー』
淡々と告げる言葉に生徒達は絶望した。
『以上!話は終わり!夕方4時から試合始めるから、それまで最後の想い出作ったり生き残る作戦でも考えててねー。あ、脱出を考えても出れないから。じゃ、まったあっとでー』
ブチンッと切られる放送。
突然の事に頭がついていかない生徒達。
「さ、朔羅」
隣で平然と御飯を頬張る朔羅に声をかけた。
「あ?んだよ」
「…」
が、何を言えば良いのか頭が回らない。
「ま、逃げられねぇのも事実だしな。戦うしかねぇだろ」
「本気かよ」
「本気だ。つーか、殺さなくていいし、生け贄が揃うまで生かしてくれんだろ。時間はある。十分にとは言えねぇけど」
朔羅は空になった弁当箱を麻己音に渡した。
「向こうがその気ならやってやろうじゃねぇか。高校生の想像力と行動力なめんなよ」
ニヤッと笑った朔羅。
麻己音もそれに笑い返した。
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