第1章

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弾き終わると拍手が起こった。 こっちをみてるユキナは、満足げに笑みを漏らしたちあがった。 私は、立ち上がれずにいた、ユキナは、私の手を持ち上げ立ち上がらせた。 二人で礼をして退出するまで、拍手は鳴り響いていた。 繋いだ手は、振りほどくこともせず、握り返すこともできなかった。 「今日は、ありがとう。」 「…」 「私の気持ち伝わった?」 「…」 「返事はいらないから。本当に、ありがとう。」 手を離されたが。声が出てこない。 「あの曲の裏のタイトルは、夕焼けの幼なじみ。私からのプレゼント。」 「…」 「結婚。おめでとう。」 ふわりと香るユキナの匂い。唇に近づいた柔らかな感触。 動くことさえできなかった。 「さよなら スミレ」 去っていく幼なじみに。想いを伝えていたのは、私の方だと叫びたい。もう戻れない。 夕焼けだけが、昔と変わらずに、私達を映しだした。 タイトル 夕焼けの幼なじみ またしても、百合な恋愛に…なぜかな。なぜかな? 笑笑 今度は健全な二人で頑張ってみよう。
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