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俺は馬車馬のように走り続けた
何かのために、
誰かのために、
想いのために。
しかし返ってきたのはわずかな紙幣
そんなもので返すより、走り続けた脚に包帯を巻いてくれないか
誰も俺の血の色を知らない
俺が流した血の色を
俺が流した涙の色を
そして紙幣と硬貨で支払うのさ
血と涙の価値を
望むか望まざるに限らず
「あなたが泉に落としたのはこの金の血ですか? それとも銀の血ですか?」
「いいえ、普通の赤い血です」
「正直者のあなたには金の血をあげましょう」
やめてくれ、死んじまうよ。
誰も俺の血の色を知らないんだ
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