episode.2

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「そうでしたか・・・。では、風が吹いたときのまわりの様子はどうしたか?」 ミツキは首を振った。 「すみません、見ていません。あまりにも強い風だったので、目をつむってしまいました。」 「そうですか・・・。声は聞こえましたか?」 「地鳴りがひどく、周囲の音や声も聞こえませんでした。とにかく必死でこの子を抱きしめてしゃがんでいたので・・・。」 ミツキはイツキを見やった。イツキは、すっかりパフェを食べ終わっていた。 「お嬢ちゃんは何か覚えている?どんなに些細なことでもいいんだ。」 イツキは注目されて少し緊張したのか、ペンダントをしきりに指でいじっている。 「そのペンダント・・・、不思議な模様だね。」 緊張をほぐそうと尋ねてみる。途端にイツキの顔が明るくなった。 「これ、イツキのお守りなの。お母さんにもらったんだよ!」 ずいっと腕を伸ばして、イトダによく見えるようにペンダントトップを突き出す。 「これは、ペンタグラムです。」 ミツキが補足する。 「いわゆる、星マークなのですが・・・。本来は、魔除けの意味を持つ印なんですよ。」 「へぇ。お詳しいんですね。」 「いえいえ、母から教わっただけです。これは、先祖代々ホシカゲに伝わるものなんですよ。」 占いやオカルトの類をあまり信じていないイトダは、半信半疑でペンダントトップを見つめた。目の模様が、少し不気味だなと思った。 「あ、おじちゃん。イツキ気付いたことがあるよ。」 「おじちゃん・・・。」 まだ20代後半なんだけどな。と内心思うが、イツキの言葉に集中する。 「あの夜ね、お空にお目目があったの。」
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