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「目?」
「うん。大きなお目目が一つあって、イツキたちを見てたよ。」
子供の言うことだ。あんなことがあったので、夢と現実を混同させているのかもしれない。
「刑事さん、すみません。きっと、月のことだと思います。あの日は満月でしたから、天窓から花火と一緒に見えましたし。」
あれからイトダは二人と別れて、署に戻ってきた。
話を聞けば聞くほど信じられないことばかりで、解決から遠ざかっていくような気がしていた。
「星に、月に、いったい何なんだよ。」
自分のデスクに腰を掛け、思わず愚痴が呟く。
そういえば、失踪の案件は、すべて夜に起きていたことを思い出す。そして、残った人間はお守りを持っていた。
何となく気になって、デスクのパソコンでペンタグラムを検索した。
「五芒星(ペンタグラム)。木星・水星・火星・土星・金星の五つの惑星を並べた図。世界中で用いられ、魔除けとして重宝された・・・。結局、事件にまったく関係なさそうだな。」
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