1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「お願い、雪~!」
「……またかよ」
放課後、教室を出た途端、俺を待ち構えていたのは女の先輩。
「一生のお願い! 今日だけでいいの!」
「凛ちゃん、君の一生のお願いはもう使えませんよ~」
ついこの間も一生のお願い、使ったばっかじゃねえか。
ハエの如く手を刷り合わせる先輩を軽くあしらって足を進める。
マジで鬱陶しい。この人、香水がどぎついんだ。
「バイト代! バイト代弾むから!!」
「……マジで?」
「うん! いつもの倍出すから!」
「ったく。しょうがねえな、」
こうやって金に釣られる俺も、しょうがねえ奴、だな。
最初のコメントを投稿しよう!