0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「ゆきのーー。って、あんた、また古文の授業寝てたしょー。」
うぐっ………、何てこった。
今日は見つかってないと思ってたのに。
「え…えー…っと、な、なんですかぁ?」
「嘘へたくそ。わかりやすすぎ。純粋すぎ。」
うぅ……。言われてることがもっともすぎて………。
………ん?ってか、最後の一言何だ?
「…ごめんなさい。
でもね、深澤先生の声が子守唄にしか聞こえてこないんだよ。
まったく、どんな魔法使ってんだろー。……ってか……」
「…バカ。」
私が続けようとしていた言葉は、凛音の口によって打ち消されてしまった。
「…はい…すみませんでした…。」
私といつも一緒にいてくれる野中凛音(のなかりんね)は、
口調が少し強くて、よく色んな人に誤解されやすい。
でも、ホントは感動するところではもう顔面崩壊しながらもなき続けるし、
凛音がふいに口元を緩めると、
この私でも惚れてしまうんじゃないか、ってくらいドキッとする。
「あ、そーだ。」
ズバッといわれて、若干落ち込んでいると
凛音が何かを思い出したかのように、声をあげた。
そのすぐ後だった。
「ゆーーきーーのーーっっっっ!!!!」
振り向くと、ドアから猛スピードで走って来る人が目に入ってくる。
最初のコメントを投稿しよう!