2/3
前へ
/6ページ
次へ
彼女は口がいらないと言う。 何故かと聞くと相手に届かないのなら意味がないからと言った。 それを聞いて僕は理解した。 彼女が助けを呼んでも、 泣き叫んでも、 誰も彼女を助けない。 皆ただただ笑うだけなのだ。 彼女に救いの手をさしのべる人はいないのだ。 だからなのだろうと思った。 だから僕は彼女に言った。 じゃあ僕にだけ言葉を口にしてよ、と。 彼女は頷いた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加