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「・・・何やってるんですか?」 「ハンバーグだろ?せっかくだから可愛い形にしてやろうと思って。」 いいんだけどね、タネを作った後、成形してるだけだし好きな形で作っても問題ないけどね。 でも、課長の手から繰り出されるハート型には抵抗が・・・。 「焼いたら膨らみますよ。」 「月曜日の弁当の分も作っとくか。腐らないよな?」 「まぁ、腐らないと思いますけど・・・ハート型のハンバーグなんて持って行ったら、水谷君か安田さんに突っ込まれますよ。」 作業をしつつ、どうかハート型はやめておけよと念じてみる。 「可愛い彼女と作ったって言えばいいだろ。」 アワアワ。 全然、人の話を聞いてない。 「いつから彼女いたんですか?どんな人ですか?ってすごく追及されそうですけど?」 「可愛い癒し系とでも言っておけばいいだろ。それとも、ハンドパワーだけじゃなくてオーラも見える面白いやつだって言ってやろうか?」 オーマイガー。 「営業3課からどこに飛ばされるんだろう、覚悟しておきますよ。」 「ちっ。同じ課だと、やっぱ、まずいか・・・。付き合ってるくらいで異動になるのか?」 「人事に聞いて下さい。結婚したら確実にどっちかが異動じゃないですかね。」 「お前、俺と結婚する気アリアリだろ。」 ニヤっと笑ってくる。 いや、でも、最初に結婚を前提とした真面目なお付き合いをって言いだしたの、課長だし。 「一生独身も淋しいかもしれないですね。最近、そう思うようになりました。」 「ふーん。照れるなよ。不器用大明神な返事されても、俺にとっては可愛い返事にしか聞こえないぞ。」 間違ってないけど、わざわざそんなこと、言ってこなくてもいいのに。 恥ずかしい。
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