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「ねぇ、つかぬことを聞いてもいい?」
小声で、そっと、イトちゃんにコソコソと聞いてみる。
「えっ、何ですか?改まって。私でお力になれますか?」
なれる、なれる、恋愛持久走では私よりも前を走ってるじゃないか。
例え、イトちゃんも周回遅れだとしても、私の前にいることだけは確かだ。
「初めてって、どうなの?噂通りに痛いの?」
恥ずかしい話だけど、今更同年代のお友達に聞いたところで遠い昔過ぎて忘れたとか言われそうだ。
いや、出産に比べたら痛くないとか、もっともなことを言われて終了かもしれないし。
「ええと、はい、ですね。と言うか、それについては、私もいまだにって言うか・・・ほら、2回しかしてないし・・・。ええと。」
うん、聞いた気がする。
2回とかって。
でも、未体験の私からしたら、経験者の声は貴重なわけだし。
「どれくらい、出血した?ドバドバ出るの?」
興味津々。
「ええと・・・そんなに大量ってこともないんですけど、2回目も出てたんですよね・・・あれって、何回目くらいまで出るんでしょうか・・・。」
オーマイガー。
このままでは二人で恋愛迷宮に迷い込んでしまう。
二人で額を寄せ合っても、分からないものは、分からない。
チラ見。
同じ空間でシコシコとおしゃべりしながら絵を描いてる女子高生をチラ見。
も、も、もしかしたら、あそこにいらっしゃる御嬢さん方の方が私とイトちゃんよりも経験が豊富だったりするんじゃなかろうか・・・。
「あっ、あのですね、今日、聞いてきます。先輩と会うんで、聞いてきます。一人は新婚さんで、もう一人は色々と、我々よりもずっと経験豊富なキレイなお姉さんなんで、チャンスがあったら、聞いてきますから!!!美由紀姐さん、明日の夜は?暇ですか?」
目が輝くイトちゃん。
神様仏様糸田様だ。
先輩から色々と聞いてくれるなんて、イトちゃんはFBIの優秀な潜入捜査官だ。
いや、CIAかもしれない。
「明日の夜ね、定時で速攻あがって帰ってくるよ!!!」
「じゃぁ、また駅で待ってますね。この前と同じくらいの時間ですよね?」
「うん、遅れそうならメールするよ!!!」
あぁ、持つべきものは友達だ。
女子会、万歳だ。
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