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なんだかんだで、朝は水谷君に笑われたりしたけれど、就業時間になってしまえば、気持ちを切り替えて仕事に邁進。 近藤君が金沢さんと仲良くなれたことで仕事へのモチベーションがいつもよりも上がってるかなって思うくらいで、他は変わらない。 お昼になれば、営業3課でお昼ご飯を・・・。 「あ、俺、外に食べに行きます。」 お弁当を持って立ち上がった近藤君に慌ててモズクを渡した。 あんまりオバサン臭いことを言うとまた水谷君に笑われるから心の中だけで言っておいた。 若いっていいわねぇ、おほほほほ。 いつものメンバーにモズクを配って、お弁当タイム開始。 斉藤主任と杉山さんが立ち話をしてるのを横目で見ていた水谷君が。 「それにしても、新藤さんのおかげですっかりあの二人、くっついたんすね。くくくっ。さすがハンドパワー。」 「ねぇ、ねぇ、そんなに面白かったの?水谷君から聞いて爆笑しちゃった、昨日。」 水谷君と安田さんの会話だったんだけれども。 きっと、気が付いた佐藤係長は大人だからスルーすると思ったけれども。 一応、二人には警告してあげようかなと思った。 「へー、日曜日に会社外で会うような関係なんですねって顔してましたよ、佐藤係長が。」 チラっと見た課長も笑ってる。 「二人はいつからそんな関係だったんだ?水谷でも安田でもいいから教えてくれよ。」 調子に乗って冷やかしてる課長は性格が悪いかもしれない。 でも、ここで金曜日の話に戻されるのも嫌だから、私は無言でお弁当を食べ続けた。 金曜日から昨日まで、ずっと一緒にいたのかな。 やっぱり、大人なことするのかな。 あぁ、会社で不適切な関係を想像してしまった自分が嫌だ。 いつかは、私もそういうことになるのだろうか。 30過ぎて処女は痛い存在じゃないだろうか。 重たい存在じゃないだろうか。 溜息が出た。
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