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「キャー!!!初デートで実家に連れてかれたんですか!!!」
机をバンバン叩いて喜ぶこの子は私の友達。
島田組なんて名前で同人誌製作サークルを作ってしまった島田商会の従業員のイトちゃん。
何をそんなに喜んでいるのかって、私の人生初デートがどうだったのか、会った瞬間にワクワクした目で聞かれたから、教えてあげた。
あまり細かい部分までは伝えていないけれども、伊勢神宮に参拝して課長(彼氏)の実家に連れて行かれたと話したら、この喜びよう。
恋バナは女子の大好物なんて名言を私に言い放っただけのことはあると思う。
「じゃぁ、実家でみんなでご飯を食べて帰ってきたんですか?」
ニコニコしながら、聞かれるけれども、違うなって・・・。
伝えようか、やめようか。
恥ずかしいけれども、聞いて欲しいような気もするし。
「美由紀姐さん、顔が可愛いですよ。ほら、ほら、何を躊躇してるんですか?教えて下さいよぉ。」
ニヤニヤと笑ってる顔を見ながら、言ったら凄く喜びそうだと思う。
まぁ、いいか。
相手のことも知らないんだし。
「カクカクシカジカで、アレコレなって、それでまぁ・・・。」
「キャー!!!!海で初めてのチュウ!!!!課長、ロマンチック!!!!素敵!!!!」
机をバンバン叩いて悶える姿を見ながら、いつものことだけど、私も人の話を聞いてる方だったらそういう反応すると思うなと思った。
実は海が初めてのチュウではないと思う。
でも、金曜日の夜の出来事は、話していない。
さすがに酔っ払って、記憶がなくて、目が覚めたら課長の家でしたなんて、三十路のお姉様なのに、恥ずかしくて言えるはずがない。
しかも、課長の話が本当だったら、私はかなりおかしなやつだったみたいだし。
キテます、キテますなんてやってたって知られたくない。
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