7562人が本棚に入れています
本棚に追加
カルーアミルクなるカクテルは、甘くて、コーヒー牛乳みたいだ。
「どう、飲めそう?」
杉山さんに聞かれて、
「はい、コーヒー牛乳みたいで飲みやすいですね。美味しいです。」
と答えたら、ふふふっと笑った。
「席替えしようよ!!!」
唐突にキレイなお姉さんこと日比野さんが叫んだと思ったら、その前にいるイマイチ君こと本田さんまで頷いてしまった。
どうするのかと思ったら、日比野さんに場所を替われと言われて、仕方がなく本田さんの真ん前に。
イマイチ君こと本田さんは見れば見る程、残念な気がする。
きっと、顔立ちは凄くキレイなのに、どこで買って来たのか黒縁眼鏡。
髪型ももう少しきちんとすればいいものを・・・。
そんな見た目。
自己紹介を聞いていたはずなのに、もう忘れてしまった。
「本田さんってどんなお仕事されてるって言ってましたっけ?」
「ええっと、○○ビールって会社で。」
誰もが知ってる大きな会社だ。
「品質管理の仕事をしているんです。ビールって言うのは、ホップと麦芽から・・・・。」
アルコールを普段摂取しないから、はっきり言って本田さんが話してる内容に興味もなければお念仏にしか聞こえない。
カルーアミルクを飲んで、目の前のゲソ揚げを咀嚼。
けっこう美味しいなぁ。
お念仏のような話は続いてるけれども、アルコール摂取のおかげで気分もほぐれてきた。
目の前の本田さんを観察。
きっと、本田さんから見ても、私よりも日比野さんの方がキレイなお姉さんだったんだろうに、一生懸命に話しかけてくれてる。
良い人なんだと思う。
黒縁眼鏡を取ったらキレイな顔なことは間違いない。
頭の中で眼鏡を消してみた。
この伸びた髪の毛も短くしたら・・・頭の中で髪の毛を短くカット。
うん、絶対に恰好良い。
「スミマセン、面白くもない話を・・・。」
この気の弱そうなろころも、優しい性格だってことだから。
俺様にはなれないだろうけれども、疲れた心を癒せれないこともないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!