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「じゃぁ、美由紀姐さんの描いてる『どす恋』の最後はやっぱり海でのチューで終わりなんんですか?」 島田組で作る同人誌に、どういうわけだか私と課長のアレコレを面白おかしく漫画にして載せるつもりだったけど。 しかも描いてるけれど。 これ、課長にだけは絶対にバレたくないと思う。 「はははっ、そうかもね。」 曖昧な返事。 本当は付き合いだしたところでお終いでもいいんじゃないかなって思ってるから。 「いいなぁ、素敵な初めてのキス。」 うっとりとした顔で妄想を繰り広げてるような顔。 「イトちゃんの初めてのキスはいつなの?噂の婚約者さんなの?」 「はははっ。違いますよ。学生時代にほんのちょっとだけ付き合った人です。はははっ。知りたいですか?」 そりゃぁ、知りたいって話でしょうよ。 うんうんと頷いたら、恥ずかしそうにしながらも教えてくれた。 「名古屋駅の大きなデパートあるじゃないですか。」 いくつかあるよね。 これは、高島屋さんのことかなと勝手に想像。 「そこの外側の何て言うんだろう。こう、デッキのところに植込みがありましてね。今もあるのかな?」 高島屋さんでドンピシャに違いない!!! デッキもあるし、植込みと言うか、花壇みたいなのがあったはず。 「あるよ、ある。植込みだか、花壇みたいなところ。」 「はははっ。現場がどこか、バレちゃいましたね。」 照れたように笑う顔を見て、女の子の顔だと思う。 事件は会議室で起きてるんじゃないよね、やっぱり現場だ。 「そこです。初めてデートした日に並んで座って、色々話したりして、彼の腕にくっついて匂いを嗅いでみたんです。」 匂いフェチ? 前も課長の匂いを嗅いでこいって言われたことがあるよ。
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