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1週間の始まり、月曜日。 本来なら、課長の姿だって見られるわけだし少しはテンションが上がってもいいのかもしれないけれど、憂鬱な気持ちで電車に乗った。 問題なのは、金曜日の達成会と言う名の飲み会で自分がやらかしてしまった大失態だ。 ひとまず、頭の中で斉藤主任と杉山さんには謝っておこうと思う。 あとは、佐藤係長と水谷君。 全員、いい大人だしお酒の席でのことだ。 きっと笑って許してくれるに違いない。 名古屋の一つ手前の駅で電車を降りた。 あぁ、暑い。 階段を降りて、改札の向こう側に大きな人がいる。 ノーネクタイに半袖シャツ。 半袖シャツから覗いてる腕に目が釘付けになってしまった。 ドキドキする。 毎年、見てるだろって自分に突っ込みを入れたけれど、恋愛感情なんてこれっぽっちも持っていなかったときに見た課長と、まがりなりにも彼氏になってしまった課長とではこちらの見る目も変わってしまった。 「みゅー、おはよ。」 気がつけば、課長の隣まで来てしまっていて、声をかけられて慌てた。 「あっ、おっ、おはようございます。」 照れる。 確実に照れる。 あたりさわりのない会話と言えば。 「もう6月ですね、はははっ。」 気候と天気の話に限る。 「ジューンブライドがいいのか?」 「・・・。」 課長の口から出てきたジューンブライドの言葉に、返す言葉も浮かばずに、ついついスルーしてしまった。 「俺は今すぐに婚姻届を出しても全然構わないけど、みゅーは構うかもしれないから、来年の6月にするか?」 冗談とも本気とも取れそうな声で課長が私に話しかけてくる。 「・・・あぁ、分かったよ、あれだろ?どうせみゅーのことだから、もっと甘味のある場所でプロポーズされたいとか乙女チックなことを言うんだろ?はぁっ、仕方ねーなー。考えておくよ。」 何も返事をしていないのに、課長は一人でどんどん話してる。 チラッと見上げた課長の顔。 ビルの隙間から差し込む朝日でよく見えない。
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