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もう、もう、もう。
課長がお酒って知ってたのに、止めてくれないからあんなことに!!!
いや、飲んだのは、私か。
冷静になろう。
冷蔵庫にモズクを入れて、振り返ったら、噂の課長が。
般若の形相!!!
ヒィ!!!
「か、カチョー、オハヨーゴザイマス。あははっ。」
「俺の目の前で他の男としゃべんな。」
ドキン。
ゴクリと唾を飲み込んだ。
課長が、どこかの漫画だか小説の中の束縛の強い彼氏みたいなこと言った?
「なんて、言うやつの気が知れないって思ってたけど、そんな気持ちだ、バカ。」
はははっ。
「先日のご無礼を謝罪してきただけですよ。」
「知ってる。」
「知ってるなら、訳わからないこと言ってないで、そこ、退いて下さいよ。」
冷蔵庫と課長に挟まれて、圧迫感がとんでもない。
「俺さぁ、いつだったか新藤さんと漫画喫茶に行ったときに、新藤さんが読んでた漫画に出てきてたアレがしてみたかったんだよね。」
漫画で出てきた課長が思わずしたくなるようなアレって何だろう。
キス?
いや、ここは会社だぞ。
ヒィッ!!!
顔の横に置かれた手。
こ、こ、これは、壁ドンですか。
「はははっ。課長、これは壁でやるものであって、冷蔵庫の前でするものではないですよ。」
壁ドンなら響きもいいけど、冷蔵庫ドンって。
響きだけなら、美味しそうかも・・・。
ドキドキ。
だって、会社でこんなことされてるの見られたら。
「課長、部下をカツアゲしてるか、脅してるようにしか見えないですよ。悪い噂が立つ前に離れて下さい。」
異常に近い顔にドキドキする。
「ちっ、可愛げがねーな。酔っ払うとめちゃくちゃ可愛いのに。」
ドックン。
微笑んで、私の頭をドンしてない方の手で撫でるとか・・・。
ここ、会社ですってば。
「可愛い顔すんの、俺の前だけにしろよ。」
頬に手を触れられて。
「やべー、俺、バレない自信ないわ。」
一言、ぼそっと
「好きすぎだ。」
と呟いて、離れて行った。
「はははっ。」
ドキドキした。
オフィスラブは心臓病へまっしぐら。
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