7563人が本棚に入れています
本棚に追加
「手を合わせて下さい。」
言われてとりあえず、合わせてみた。
「いたあだきます。」
「ぶはっ、課長、日直ですか!!!三重県もそれだったんですか!!!給食の挨拶!!!」
課長のバカさ加減にウケたけど、隣から聞こえた声は恐ろしいものだった。
「課長って言いやがったな。」
し、し、し、しまったー!!!
「い、言ってないです、課長なんて言ってないです、級長って言ったんです!!!」
「ぶっ、お前さ、どうやったら課長と級長を聞き間違えるんだよっ、バカタレ。」
セーーーーーフ!!!
笑ったからとりあえず、セーーーーフ!!!
「つーか、級長って言わないだろ。戦時中の子供かよ。」
た、た、確かに、我々の時代は学級委員とかって言ってた気もするけど。
「はははっ、もしかしたら、三重県では級長って言って、脱脂粉乳とか普通に飲んでたり」
「するかよ、バカタレ。クジラの肉も食ってないぞ。」
「ぶはっ、クジラの肉!!!我々の親の世代じゃないですか、ははははっ。級長、ナイス、ジョークです!!!」
「級長を普通に使うな、冷める前に食えよ。」
「はっ!!!有り難くちょうだいいたします!!!」
ふんっと課長が笑う声が聞こえた気がする。
それから、課長のお手製の明太子スパゲッティをお箸で摘まんで食べてみた。
げっ。
普通に美味しいじゃん。
「くだらないことしてもいいですか?」
「いいけど、何する気だよ。」
「う~ま~い~ぞ~!!!このアルデンテに茹でられたパスタの麺とスーパーで買ってきた明太子の絶妙のハーモニー!!!麺に絡んだ明太子と有塩バターがう~ま~い~ぞ~!!!」
「ぶはっ、お前、本当にどうしようもないやつだな。これ、タラコだぞ。」
ガーン。
タラコだったんだ。
せっかくノリノリだったのに。
ショックで顔に縦線を描き込みたくなってくる。
いっそ、横線でもいい気がしてきた。
最初のコメントを投稿しよう!