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「俺、片付けするから、みゅーは首輪の捜索の続きをしてろ。」
「了解いたしました。」
食事前にあらかた居間もトイレも脱衣所も見てまわった。
あとは、いったいどこだろう。
寝室に行ってみるか。
押入れを開けてみるけれど、布団と課長が用意した私用の衣装ケース以外に怪しい場所もない。
困ったなぁ。
酔っ払った私が物を隠しそうな場所・・・。
まさか、台所?
冷蔵庫の中とか?
課長がお片付け中ではあるけれど、少々お邪魔して冷蔵庫を見てみる。
ない。
冷凍庫で冷凍保存されてたりするかな。
ない。
笑いながら、こっちを見てくる課長は、すでに片付けを終えてる。
教えて下さいと言うのは簡単だけど、果たして教えてくれるだろうか。
「じゃぁ、俺、あっちで新喜劇でも見てくるから。」
あぁ、私が見たかった新喜劇。
私も見たい新喜劇。
ここは仕方がないから、課長に頼むしかない。
普通に頼んでも、教えてくれなさそうな気がする。
きっと、意地悪な顔をするに違いない。
知恵を絞るしかない。
あっ、思いついた。
コソコソと居間のすみに置いた自分のバッグを手に台所へ。
作業を完了して、課長に頼みに行くぞ。
頑張れ、私。
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