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ココアを片手にほけっと、新喜劇を見る二人。 何が面白いって、毎回同じギャグなのに、観客の笑い声が凄いところが面白い。 どこで笑えばいいのか、教えてくれてるんだから素晴らしい。 全員がこけたりするところも、息がぴったりだ。 隣の課長も笑ってる。 あぁ、会社の人達に見せてやりたい。 課長が新喜劇を見て、笑うんだぞと教えてやりたい。 新喜劇よりも、課長を観察してる方が面白いことがわかった。 大発見だ。 「おっし、次は借りてきたDVDだな。」 嬉しそうにDVDをセットしてるけど。 「何で、テレビ、ブラウン管のやつなんですか。って言うか、それ、映るんですか?」 「おー、映るんだよ、ここな、ケーブル引いてあるからさ。ネットもテレビもケーブルなんだよ。」 「へー。映るんだ・・・。」 そりゃ、薄っぺらいテレビに買い替えるわけないか。 課長、根が主婦だし。 目の前のドーナツをパクッと食べてみた。 懐かしい味だ。 タカちゃん、今頃、何してるんだろう。 土曜日の午後か。 雨降りだし、暇してそうだな。 漫画かゲームか。 パソコンか。 むにっといきなり摘ままれたほっぺた。 「みゅー、誰のこと、考えて笑ってたんだよ。」 ギクリ。 ギクリ。 「えっと・・・ハンドパワーの使える人のことを・・・。」 「ぶっ、くくくっ。仕方ねぇ。俺じゃぁ、勝てるはずがないな。相手は超魔術師だしな。くくくっ。」 セーーーーフ。 助かった。 さすが、心の師匠。 スプーンを曲げたりできるだけのことはあります。 お札を燃やしても、元通りにできるだけのことはあります。 真似してお年玉を燃やそうとして、止めてくれたタカちゃんにも感謝だ。 そんなバカな過去を課長に話したら、バカウケするんだろうけど・・・。 こんなネタはまた、今度。 大ピンチになったときに使おう。
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