第1話

勉強会。

やっと７月最後の日がやって来た。

今日は僕の家の近くにある図書館で一緒に勉強することになった。

午後からということで、１時に待ち合わせをしていた。

少し早く来すぎてしまったかな。

終業式からおよそ二週間、すごい長いように感じた。

「聖人！なんか久しぶりだな。」

数分後、悠大が来た。
どうやらお互い早く来てしまったみたい。

「本当…久しぶりだね。」

二週間ぶりの悠大の姿を見て嬉しさが込み上げてくる。

「なあ、課題どれくらい進んだ？俺、お前より進めてる自信あるんだけどさ！」

「えー、そうなの？僕も結構進んでると思うよ。」

こんないつも通りの会話が楽しい。

LINEでも会話はしていたけど、やっぱり会うのとは違う。

そして今日こそ、僕の方から遊びに誘うんだ。

＊＊＊

図書館は私語厳禁なので一切話せない。

だからお互い黙々と課題に取り組んだ。

どれくらい時間が経っただろう？

そろそろ集中が切れてきた…

「聖人、一旦外出ない？」

俺は小声で話し掛ける。

「うん、わかった。」

俺たちは図書館を出たとこにある休憩所へ向かう。

自販機で飲み物を買い、ベンチに腰かける。

「ああー、やっと喋れる。」

「ふふ、そうだね。結構集中できたんじゃない？」

「おう、家でやるときより進んだわ。」

「僕もあと二つで課題全部終わるよ。」

「え、俺より早いの！？俺はあと三つ残ってる…」

「悠大もたいして変わらないじゃん。」

やっぱり聖人のが勉強してたか。

俺が夏休み前半にこんなにも課題に取り組むことは今までになかった。

だけど、後半になれば聖人といっぱい遊べるようになるし、最終日に課題に追われることがない！

聖人の影響で自分も勉強するようになったから本当に感謝している。