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**悠大の場合**
夏休みに一度は七瀬を誘ってどこか遊びにいきたいと思っている。
べつに友達が七瀬しかいないわけではない。
それなりにクラスでも友達はいるし、クラス内でも発言力はある方だ。
だけど、七瀬は他とは違う。
何がどう違うのかはわからないけど特別な存在なんだ。
いつからか俺の世界は七瀬を中心に回っているんじゃないかと思うようになった。
考えてみれば、初めて会ったときからかもしれない。
俺たちは実はあの日、あの時、あの場所で出会うことが意図されていたのではないか。
なんて、それはそうであったら嬉しいのにという俺の願望か。
七瀬は他の友達とは違う…特別な…
特別な、何だろう？
他とは違う、友達とは違うのか…？
友達に対してこんな感情…て、どんな感情だ？
なんだこの言い表せない心情は。
もやもやした気持ちが直らないので思考を一旦停止する。
この感情の正体を突き止めて、結論付けることはしない方がいい。そんな気がする。
今はやめておけ、と俺の本能がそう訴えていた。
そして俺は何事もなかったかのように今日を終える。
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