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梅川駅で降り、結局近くのスーパーでお菓子とジュースを買って俺の家に向かう。
昼飯は決まらなかったから家に常備されているであろうインスタントラーメンということになった。
「お、お邪魔します…」
「はい、どうぞ。てか、そんな緊張することないぞ?今は俺しかいないから。」
「そっか。ちょっと安心した。」
「ならよかった。じゃあ今からちょっと作ってくるから部屋で待ってて!」
俺は急いで作業に取りかかる。
考えてみれば、すごい展開になっているような…
とっさの思いつきだとはいえ、さっきから早まった鼓動がおさまらない。
平常心、平常心と心の中で何度も呟き、七瀬の待つ部屋へ向かう。
「ごめん、遅かったか?」
「ううん、大丈夫だよ。今、課題の内容確認してたとこ。」
「そっか!先に食べてから課題するよな?」
「そうだね。じゃないと麺のびちゃうし…」
「だな!よし、食べよう。」
・・・。
食べ始めたものの、さっきから沈黙が気まずい。
七瀬も緊張しているせいか黙々と食べている。
そして、あっという間に食べ終わってしまった。
「…なんか、緊張するよな。」
やっとの思いで口を開く。
「ごめん、友達の家来たのとか初めてで…」
「え、初めてなの?今までずっと?」
「うん、おかしいよね…。僕、ずっと病弱で…だから部活も入ってなくて。」
「そっか…ごめん。俺、また無神経なこと言ったよな。七瀬が俺の家に来てくれたことが嬉しくてちょっと浮かれてたわ。」
「ち、違うよ…!こんなこと友達に話したのも初めてで、牧田くんに話せたことが嬉しかっただけ。」
「はぁ…牧田くんか…。」
「え、え?牧田くんじゃないの…?」
「いや、そうじゃなくて!てか、この流れでそれはおかしいだろ!」
「あ、だよね。じゃあ何なの?」
ここまで話して伝わってないのか…!
七瀬は天然なのか、肝心なところを察してくれない。
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