勉強会。

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*** 帰り道、きっとこれが誘える最後のチャンス。 僕はどう話を切り出そうか考えていた。 「今日も課題すごい進んだし、良かったよな!」 「そ、そうだね。あ、あの…夏祭りのことだけど…」 「え、うん。なに…?」 悠大は急に真顔になる。 僕はそれにひどく動揺してしまった。 「あ、えっと…夏祭り、の他にも…どっか遊びに行かない?!」 やっとの思いで言葉を絞り出す。 「なんだ…よかった。うん、いいよ!」 「ん?どうしたの?」 「いや、なんでもない!ごめん、変な態度とったみたいで。」 「うん?僕は大丈夫だけど…」 「あ、どこ遊びに行く?聖人、どっか行きたいとことかある?」 悠大…どうしたんだろ…。 なんか様子がおかしかった。 「うーん、とくにない…かも。」 「なんだよ、聖人から誘ってきたくせにー。」 悠大は笑いながらそう言う。いつも通りだ。 「ごめんって。ただ、夏祭りだけしか遊べないのは寂しいなあー…って。」 「まあ俺もそう思ってたし?聖人から誘ってくれて嬉しかった。」 そう言ってもらえて僕も嬉しくなった。 「あ!僕、ゲーセン行きたい!」 「え、ゲーセンでいいのか?それだと暇になるかもしれないぞ。」 「友達とゲーセンってよく行くんでしょ?それがなんか僕の中で青春って感じがして。」 「ゲーセンが青春って…安い青春だな、おい。」 「あ、馬鹿にしてるの?もう勉強教えてやらないよ?」 「いえ、馬鹿にしてません。スイマセンデシタ。」 「もういいよ。一緒にゲーセン行ったとき青春っぽいことしてあげるから覚悟してなよ。」 これじゃ売り言葉に買い言葉だ。 「おう、じゃあ期待して待ってる。」 「うん、待ってて。じゃあ日程はまたLINEで決めよっか。」 そう話して僕たちはそれぞれの家に帰っていく。 やっぱり悠大といるのは楽しい。 久しぶりに会って僕の心はすごく満たされていた。
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