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夕日が沈み、空が暗くなってくると若者の数が増えてくる。
当然、同級生もちらほら見えてくる。
「ところでさ、夜ご飯どうする?」
「うーん、人も増えてきたし…どっかファミレスでも行く?」
「そうだな!」
聖人の提案に賛同して二人は近所より少し離れたファミレスへ向かう。
目的地に着き、二人は向かい合って座る。
「なに頼む?俺はこれ!」
悠大はメニュー表を指差して聖人に話しかける。
「わあ…よく食べれるね…。僕はお腹すいてないからサラダでいいよ。」
「いやいや、お前のがおかしいだろ!結局、祭りできゅうりしか食ってないし、しかも残してたじゃねーか。」
「なんか、悠大の食べっぷり見てたらお腹いっぱいになった…へへ。」
そう言って聖人はふにゃっと笑顔を見せる。
その笑顔を見せられては何も言えない、そう悟った悠大は話を切り上げ店員を呼ぶ。
注文を済ませ、ドリンクを飲みながら食事を待つ。
頼んだ品が届き、食べ始める。
なんか向かい合って食べるのって妙に恥ずかしいなあ…
悠大がそう思うのも無理はない。
食事を先に終えた聖人がさっきから悠大が食べるところをずっと微笑みながら見ているのだ。
「おい、そんな見るなよ。なんか食べづらい。」
「あ、ごめん。なんか見てると幸せな気分になるから…」
「じゃあ、べつにいいけどさー…」
結局、悠大は聖人には敵わないと知っただけであった。
食事を済ませ、二人は近くの公園へ入る。
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