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「聖人は俺が見れなくてそんなに寂しかったのかー?」
悠大は冗談っぽく尋ねる。
「うん、学校では毎日会ってたのに全然会えなくなってから不安になるんだ。僕は本当は一人なんじゃないかって。悠大との時間が現実じゃないみたいに思えてきて…」
俯いて聖人は答える。
「なに言ってんだよ、バカ。俺、今ちゃんとここにいるだろ。」
歩いていた足を止め、向き合うようにして手をとる。
「うん、ここにいる。」
聖人は悠大の手に自分の指を絡め、見つめる。
「…悠大の手って大きい。野球してたんだよね?なんかかっこいい。」
「なんだよ、急に…。俺は、聖人の手は綺麗で羨ましいけどな。」
「ふふ、じゃあ行こっか。」
「え、手繋いだまま歩くのか?」
「暗いし、誰も気づかないよ。それに悠大が隣にいるって証明してくれるんでしょ?」
「まあ…そうだけどさ。」
結局、聖人の提案で二人は手を繋いで帰った。
はあ…聖人って本当わかんねー!!わざとか?天然か?
と、ぐるぐる考えてた悠大であった。
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