第1章

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「いずみ荷物いっぱい!」 子供は3才で私のことは名前で呼ぶ。 母ではないからだ。 「そうだよ~ 買い物して、そのまま優を迎えに来たんだよ!」 「じゃあさ!ぼく一個持つ! 重いの持つよ!」 名前の通り優は優しい男の子だ。 ありがとうと、トイレットペーパーを持ってもらった。 「ねー!これ軽いやつでしょ! 重いの持つってば!」 「それでいいの」 「ぼく重いの持てるよ!」 「だって、トイレットペーパーが一番邪魔で持ちにくいんだもーん! 今日は12ロールにしちゃったし~!」 「…わかった!ぼくが持ちにくいの持つ!」 12ロールもなかなか使いきれないけど、安くて買ったトイレットペーパー。 優が男らしく持ってくれるのを見ると大切に使いたくなる。 余計に使いきれないな、きっと。
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