第1章

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「あの…僕、荷物持ちますよ」 「…え?」 後ろから男の人が声をかけてきた。 「スカート、押さえたほうがいいですよね あ、別に見たわけじゃないですよ! ほら、たまたまね、どうしようって聞こえたから荷物重いのかなぁって! そう!僕、あなた荷物重そうに持ってるなぁって! だからその…ね、持ちますよ」 …見られていた。 一回であれば、なかったことにしたが、何度も見られていた。 それを必死にフォローしているのかしていないのか、とりあえず助けてくれるみたい。 「あ、あ、ありがとうございます… ごめんなさい。あ、あの、灰色で…っていうより仕事用なので じゃなくてっ見てないから知らないですよね、そうですよね。 じゃあ、あの、お願いします…」 こうして、お互いテンパりながら会話をし、私は荷物を持ってもらいスカートを押さえた。
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