第1章

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「仕方ないんです。 私、結婚も同棲もしてなければ彼氏も居ないのに子供がいるんです。 それも私の子じゃないんです。 私は稼ぎもないし節約するしかなくて…」 ここで言わなくてもいいことを口走ってしまった、と後悔した。 「あ、ごめんなさい! 私、初対面の人に…しかも親切にしてもらってるのに こんなこと言ってしまって…」 「え?…いや、いいですよ。 まだ家近くないでしょ? もし良ければ話してください 沈黙よりいいでしょう?」 彼は優しく笑いながら言った。 でも私は冷静じゃない。 「いえっもう大丈夫です! 風もないし! にっ荷物返してください! 一人で帰るので! ありがとうございました!!」 強引に荷物を奪い、走って彼から遠ざかった。 …家とは違う方向へ。
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