第1章

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重い荷物を持ちながら走ったので、すごく疲れた。 おまけに道に迷った。 見たことのない公園で座って息を整えている。 「どうしよう…ご飯作らないと… 保育園に迎えに行かないと…」 私は困った。 「あの、僕で良ければ持ちましょうか?」 そして後ろから、また声がした。 「…え?」 彼は笑いながら 「疲れたでしょう? 僕の進む道と違う方へ行ったのにここに居るってことはあそこから、この公園まで遠回りして走ったの? もしかして迷っちゃった?」 よく喋るな、と思いながらも助かったと安心した。 「涼水公園知ってますか? 私の家、その近くなんですけど迷ってしまって…」 すると彼は荷物を持って 「知ってます。 僕のアパートすぐそこなんです。 少し遠いし車で送りますよ! あなたが嫌でなければ保育園にも行きますか? 迎えに行かないといけないんですよね?」
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