第1章

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私は彼の耳の良さに感心し、車に乗せてもらった。 「…僕は怪しいものではありません。 普通の人です」 「はい?」 「あ、こんなこと言うほうが変ですよね。 でも、初めて話してすぐに車なんて絶対安全とは言えないじゃないですか… あなたが抵抗なく乗ってくれたのは嬉しいんですけど、無防備なので心配になりましたよ。」 笑いながら彼は言った。 私は急に不安になった。 それを感じたのか彼は名刺をくれた。 「あなたを仕事帰りに見て一目惚れしたんです。」 そしてまた不安にさせた。
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