前編

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 部屋の外からものすごい破裂音が聞こえて、わたしは飛び起きた。  でも、わたしはこの部屋から出ることができない。  だから外で何が起きたのかも分からないし、恐らくこの先知ることもないだろう。  そんな中、わたしはギュッと心臓を鷲掴みにされた気がして、思わず胸元を右手で握りしめた。  どうして? なんで? こんなにも息苦しいのはなぜ?  よたよたとした足取りで、わたしは決して開くことのない白い扉の前まで歩み寄る。  外で何が起きてるの? 彼はどうしたの? あの人に会いたいよ……。  真っ白な空白だけが広がるわたしの世界に、初めて色を灯してくれた人。  あの人に会いたい。あの人はどこなの。ねぇ、誰か教えて……。  気付くとわたしは泣いていた。  初めて感じるこの感情の名前をわたしは知らない。  誰か、誰でもいいから、わたしをこの真っ白な世界から出して……お願い……。  嗚呼、小さな空が見えたあの日が懐かしい。  あの日すべてが始まって、あの日すべてが終わってしまった。  窓の外から彼が来たあの日。  あの日見た初めての空を思い出して、わたしは更に大声で泣いてしまった。  一度自由を知ってしまったわたしは、もはやこの狭い鳥籠の中で暮らすことはできない。  彼と出会い、わたしは変わってしまった。もう後戻りはできないんだ。  …………  ……。image=487501996.jpg
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