#3 アツシ

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A'zNAILのアツシ…… アサキちゃんから……何度か聞かされた事がある…… 私、インディーズの事はよく知らないけど A'zNAILってバンドは、解散こそしたものの へたなメジャーバンドよりも影響力のあるバンドなんだって…… ユータのメッセージによると、今日のステージを リーダーのアツシがチェックしてくれて 上手く行けば彼のレーベルからデビューさせてくれるって…… これって、とんでもない事じゃん――――! 私は興奮を抑えられなかった……! そりゃそうだよね! ユータやアサキちゃんたちがひょっとしたら テレビに出ちゃったりするかも知れないんだよ!? どうしよう……なんか色々大変な事になっちゃってる…… ユータも本当に緊張MAXみたいだから 私はありったけの気持ちをLINEで送り返す。 大丈夫だよ……ユータなら絶対出来るよ……って。 今度は……私が支える番だよ……! なぜか……ユータがどう思っているのかとか 私はどうしたらいいのか……とか 気が付くとそんな事、どうでもよくなってた。 今はただ……こんな関係が…… これからもずっと……続けばいいな……って。 そして、ユータがアツシに認められて プロのミュージシャンになれたらいいな……って 私はそんな事を考えたりしていた…… 最後にユータが送ってくれたメッセージ…… 「つぼみ、マジ感謝!  お前があの場所で見守っていてくれたら  オレマジ無敵だから!  本当にありがとう! 本番行ってくるね!」 すごく嬉しい……! 大丈夫だよ! 私、思いっきり応援する! ユータのためだけに一生懸命応援するからね……! スマホをしまうと私は……ユータとの…… 二人だけの「特別な場所」に向けて歩き出した…… ライブ開始まであと少し――――!
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