#4 幕開け

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私はイスを少しだけ前に寄せて かじりつく様に窓ガラスまで顔を近づける…… あ……ユータが私の視線に気付いた……! ハイハットと呼ばれるシンバルを締め直しながら ユータは私に向かって、小さくVサインを送って微笑む…… やだっ……すごくカッコいい…… 私は思わず顔を火照らせてうつむいた…… さっきまでのLINEのやり取りからは 考えられないほどユータは落ち着いていて 一時間前にこの場所で、恥ずかしそうに 赤くなっていたのがまるで嘘のようだった…… 私とユータをつなぐ……特別な場所……特別な……部屋…… これだけの観客に埋め尽くされ 歓声だって鳴り止まないのに…… この部屋とステージをつなぐ 私たちだけの特別な「フィールド」が…… まるで止まった時の中で 二人を包み込んでくれている……そんな気がした…… 心音が高鳴る…… ステージの幕がゆっくりと登り始める…… マーヴェラスのステージは カン高い、アサキちゃんのシャウトを合図に いきおい良く、その幕を開けた――――!
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