#1 ドキドキ文化祭

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「ねー、ユータ! この子最近、なんか変なのよ?  ボーッとしたり…… 急に落ち込んだり……。」 そ、そ、そんなことないよアサキちゃん! ってか、ユータの前だと 余計におかしくなっちゃうから、そういうこと言わないで! アサキちゃんの余計なおしゃべりに ユータは不思議そうな顔をしながら 私の顔を覗きこんでこう言った。 「んー……こないだのギターの事、まだ気にしてる……  ……って、んなワケねぇよな……?  ってか……ひょっとしてつぼみ、体調悪いとか……?」 ユータの言葉に私は必死になって頭を横に振り アワアワしながらも、何とか自分が元気であることを伝えた。 「……そっか……! ならいいんだ!  そりゃ、つぼみだって色々あるよな!」 と、ここで、そんなことを言いながら ユータの手が、また私の頭を優しく撫でる…… 相変わらず優しいなあ……ユータは…… さっきまで慌てふためいてオロオロしていたのに ユータに優しく頭を撫でられただけで 私は……あっという間に落ち着きを取り戻す…… 魔法の手だ……ユータの手は…… ほんのわずかだけど、今日も 彼の優しさに触れることが出来た。 ずっとこんな時間が続けば良いのに……! せっかく訪れた幸せな瞬間も その後、響き渡った校内放送のせいで その時間はあっという間に奪われてしまう……
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