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夜遅くまで盛り上がった私たちは
街の喧騒をかき分け、駅のロータリーまで並んで歩く……
みんなステージをやりきった充実感に溢れていて
ステージと無縁な私は
そんなアサキちゃんたちの事が少しだけ羨ましかった……
「アハハハハ……! でもさ……つぼみ!
なんなの? あんたの……あのヘンなテンション……!
あんたがあんなになって
人前で歌うところ……初めて見たよ……!」
う、ううっっ……それは言わないで……アサキちゃん……
私だって、なんであんなになっちゃったのか
よく分からないんだから……
ただ、場の雰囲気を何とかしたくて……
もう……思い出すだけで……恥ずかしい……
するとトールが髪をかき揚げながら私にこう言った。
「……ってか……初めてつぼみの歌をマジで聴いたけど……
ビックリしたよ……! お前もけっこう歌上手いんだな……!」
……ホントに……恥ずかしい……
もう忘れてくれないかな……今日のこと……
私は顔を赤くしながら、先へ先へと足早に進む……
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