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その後、ロータリー近くの駐車場まで来ると
アツシがポケットから車のキーを取り出してこう言った。
「今日は色々楽しかったよ……ありがとう。
また色々決まったらヒサシに連絡する……
……と、いう事でヒサシ、よろしくな……!」
駐車場からあの派手な……アツシの乗った
真っ赤なスポーツカーが現れ、爆音をあげながらその車は
颯爽と私たちの前を通りすぎていった……
「っ……っ……はあぁぁっっ……!」
アツシが帰った後
みんな一斉にため息をつくと
顔を見回して声をあげる……
「いやぁー……緊張したぁぁ……!」
「ホ、ホントよね……!
カリスマミュージシャンとカラオケする高校生なんて
世界中探しても私たちだけだから……!」
トールとアサキちゃんが顔を見合せながらそう言うと
ユータがヒサシの顔を覗き込みながら問いかけた。
「しかし……アツシさんは俺たちのライブ観て……
どう思ったんだろう……?
ヒサシ……お前、何も聞かされてないの……?」
「……んー……いや、俺も聞くの怖くってさ……
まあ、色々決まったら連絡するって言うくらいだから
悪い結果は出ないと思うんだけど……」
ヒサシの言葉にみんな頷いていた。
自分の事でもないのに私……何故か緊張してる……
マーヴェラスの命運の掛かったステージだったんだ……
無理もない……よね……?
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