#2 帰りたくないよ

4/6
前へ
/18ページ
次へ
その後、ロータリー近くの駐車場まで来ると アツシがポケットから車のキーを取り出してこう言った。 「今日は色々楽しかったよ……ありがとう。  また色々決まったらヒサシに連絡する……  ……と、いう事でヒサシ、よろしくな……!」 駐車場からあの派手な……アツシの乗った 真っ赤なスポーツカーが現れ、爆音をあげながらその車は 颯爽と私たちの前を通りすぎていった…… 「っ……っ……はあぁぁっっ……!」 アツシが帰った後 みんな一斉にため息をつくと 顔を見回して声をあげる…… 「いやぁー……緊張したぁぁ……!」 「ホ、ホントよね……!  カリスマミュージシャンとカラオケする高校生なんて  世界中探しても私たちだけだから……!」 トールとアサキちゃんが顔を見合せながらそう言うと ユータがヒサシの顔を覗き込みながら問いかけた。 「しかし……アツシさんは俺たちのライブ観て……  どう思ったんだろう……?  ヒサシ……お前、何も聞かされてないの……?」 「……んー……いや、俺も聞くの怖くってさ……  まあ、色々決まったら連絡するって言うくらいだから  悪い結果は出ないと思うんだけど……」 ヒサシの言葉にみんな頷いていた。 自分の事でもないのに私……何故か緊張してる…… マーヴェラスの命運の掛かったステージだったんだ…… 無理もない……よね……?
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加