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などと考えているから、というわけでもなく私には「派手な」はもちろん
浮いた話は皆無だ。
少々遅れたが私のプロフィールを記しておこう。
自慢話としか受け取られないから進んでべらべらと述べたいものでもないけれど。
浦津 萩乃(うらつ はぎの)。
中央の某国公立大学理学部出身、「話題だけど流行りじゃない」リケジョこと理系女子。
身長は169cm、体重はわざわざ言う必要ない。触れたのが間違い。
ヒールを履くと身長が175cmならホイホイと、高いものなら180cmを超え、これがまた男性の気に食わないそうだ。
付き合っているわけでもないのに、とにかく不快だそうだ。
そう言われる側の身にもなってほしい。とにかく不快だ。
加えて可愛げのない文字(これを言う合い言葉が「達筆」だそうな)、仕事以外で振りまかない愛想、要するにスタンダードな表情がポーカーフェイス(営業スマイルとの往復)。
若干の近眼で、会社では眼鏡をかけている。
濃紺のもので、遠目から見ると黒縁。黒縁と思っている人は光の加減で濃紺が透けると冷淡な女王様をイメージするとか。
趣味は車、カラオケとまあ一人でコト足りるものだらけ。
そして勤めているのが電機関係の企業で半導体を扱う部署。
これがまた、半導体を扱う会社でもなんでもないから、
開発から営業まで一手に引き受ける。
襲いかかった不況の波に加え需要が急激に増加している半導体産業。
にもかかわらず、部署の人数は6年ほど前から殆ど変わっていない。
6年前と言えば私が入社してすぐのことだ。
部署に配属されて早々に組み替えがあったから正直会社側を疑った。
初めての仕事は良くも悪くも印象に残っている。
忘れもしない、ペアを組んだのは鷲尾 義貴(わしお よしたか)。
同期の彼は玉の輿目当ての女子社員から色男だと騒がれていたものの、
私から見れば仕事の能率は低いわ、偉そうだわ、
騒がれるほど理想的な顔立ちをしているわけでなし、
おまけに仕事をしている時の表情が嫌がらせかってほどに憮然としていて、
印象は最悪だった。
結局その担当の仕事は9割方を私がこなし、終わった後の鷲尾はといえば、依然としてムスッとしていた。
それから2年で私は部署内の課長職についた。
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