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「…よし、できたのじゃ!我ながら久々に会心の出来じゃのぉ」
紅葉に覆われた山に立つ小さな屋敷の縁側にて1人少女は呟いた。
この少女、口調こそは年寄のようだが、容姿は10代半ばほどであり、黙っていれば普通の中高生にしか見えないだろう。
ボブくらいの赤みがかった茶髪に赤い花をつけていて、黄緑色の着物にオレンジの袴を着ている彼女は昔さながらな風貌をしているが、明らかに普通の少女とは違うところがあった。
「ふむ、羽之にも見せてみようかの」
大きな耳としっぽをひょこひょこと振りながら少女は部屋の中へと入っていった。
そう、この少女、“弥生”は狐である。
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