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~午後9時ごろ~
「んむー…ふわあぁぁ…うむ?はて…ワシは何をしておったのじゃろうか…?」
弥生は大きなあくびをしながら寝ぼけ眼で辺りを見回すが既に陽は落ち、すっかり暗くなっていてはっきりとものは見えない。夜空に浮かぶ月の光が朧気ながらに部屋を照らす。どうやら、ここは羽之の部屋だと弥生が気付いた時、ちょうど部屋に誰か入ってきた。羽之だ。
「あら、案外早く目を覚ましたみたいね。」
そう言いながら弥生がいるそばまで歩いてきた。そして、弥生は自分が布団に寝かされていたことと、枕元にはできたばかりであろうお粥が置いてあることにきづいた。
「ふふふ、相変わらず羽之は優しいのぉ」
「はあ!?あのまま人の部屋のど真ん中ですやすや寝られてもわたしが困るし、早く良くなってもらわないと仕事が進まなくなるからであって…そう!仕方なくよ!仕方なく!」
恥ずかしそうに手を振りながら全力で弥生を看病していたことを否定する羽之だが、弥生は羽之が素直じゃないことを知っている為つい微笑んでしまう。
「そうかそうか、わかったからとにかく落ち着くのじゃ」
「ぜんっぜんわかってないわよねその返事!?ホントに違うんだからね!」
「はいはいなのじゃ。とにもかくにもありがとうなのじゃ、羽之」
「違うよ?弥生のためじゃなくてほんっっっとに仕方なく…」
※※※しばらくお待ちください※※※
「おお、そ、そういえば、せっかく新しい提灯を苦労の末(?)に完成させたんじゃからこれから見んかの?」ハアハア
「そ、そうね…出来栄えは確認しなきゃね」ゼエゼエ
あれから一歩も引かない羽之とのトーキングタイムに一段落をつけて、二人でマンダラゲの提灯の完成度を確認することにした。お互いに息を切らしているのは気にしてはいけない。
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