大きな変化

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気になっていたことを訊ねる。 尚翔はキョトンとした顔で俺を見たが、あ、と理解したように微笑んだ。 「そんなことないよ。むしろ心配されてる。」 「心配…」 「さっきの自販機の時もだし、おれが先輩の所から戻ってくると、何もされなかったか?っていつも言われる。」 そう話す尚翔は、ちっとも嫌そうじゃなく。 おかしそうにクスクス笑っていた。 「でも最近は皆も諦めてるみたい。実際おれ、先輩に何もされてないし。」 「………」 そう言って尚も笑う尚翔に、俺の胸中は複雑だった。 何もされてない、ね… 一度だけ、無理矢理キスはしたけどな。 コイツの中でソレは、“嫌なこと”ではないんだろう。 それとも、好きだからこそ赦せるとかいうものなのだろうか。 そんな純粋な奴を、俺の傍においていいのか…
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